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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

SNSのネガティブな書き込みは「自分とは関係ない」と思え

公開日: 更新日:

 その結果、前者のケースでは、ネガティブな言葉が含まれる機会が増え、後者ではポジティブな言葉が含まれる機会が増えると分かったそうです。SNS上でも分かりやすく感情が伝染することが示唆されたのです。

 クレイマーは、ニュースフィードに表示される友人や知人のネガティブ/ポジティブなニュースを目にすることは、知らず知らずのうちに他者の感情を“盗聴”しているような効果をもたらすと指摘しています。盗聴とは言い得て妙でしょう。意図していなくても頭の中に入ってきてしまい、耳を傾けてしまうように影響されている──。オンライン上のメッセージは、私たちの感情体験に影響を与え、オフラインのさまざまな行動に影響を与える可能性があるのです。

 現在、X(旧ツイッター)をはじめ、SNSやネット上にはネガティブな言葉がたくさんあふれています。「たかがSNS」と侮ってはいけません。ネガティブな書き込みに触れれば触れるほど、自らの感情や行動に悪影響を与える可能性があるわけですから、必要以上に目にしないことが大切です。

 もし、あなたが偶然そうした書き込みや言葉に触れてしまった場合は、「ネガティブなニュースは自分とは関係ないと思うだけで暗いニュースに影響されない」という、ニューヨーク大学のチャングらの実験結果(21年)を参考にするといいでしょう。

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