EXILEのATSUSHIさん公表…ダニに噛まれて発症する「ライム病」ってどんな病気?
マダニは人間や動物の皮膚に口器を刺して吸血を続け、腹部が膨れると自然に脱落する。しかし吸血期間は私たちが想像する以上に長く、3日から14日間に及ぶこともある。1週間以上マダニに血を吸われているのに、その存在に気づかないことも珍しくない。
「腰の辺りや膝の裏など目があまり届かない場所に吸い付かれれば、そう簡単には気がつきません。刺されてもかゆみなどの症状がないこともある。ある患者さんは、腕にマダニが吸い付いていて、しかしまさかマダニとは思わず『急にほくろができたんですが、大丈夫でしょうか?』と相談に来られました。拡大鏡で脚を確認し、『マダニですよ』と説明すると、びっくりされることもよくあります」
なお、「マダニに刺される=ライム病発症」ではない。マダニの種類は国内では46種類以上いて、その中でライム病の病原体「ライム病ボレリア」を保有するマダニが生息するのは北海道と本州中部山岳地帯に限られている。病原体を持たないマダニに刺されても、ライム病は発症しない。
「ただ、マダニを介して罹患する感染症はライム病だけではありません。日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群、ダニ媒介性脳炎などもあります。すべてのマダニがこれらの病原体を保有しているわけではないとはいえ、マダニに刺されない対策は万全に講じるべきですし、何らかの症状が出たら速やかに皮膚科を受診すべきです」