「自覚なし」の6人に1人は水虫あり…16年ぶりの大規模調査で判明
「体部白癬や股部白癬の患者さんが来院すると、私は必ず足や爪も調べます。足白癬や爪白癬が判明し、『足からうつったんですよ』と説明すると、驚かれます」
■爪水虫を治さない限り、再発・ほかへの感染を繰り返す
足白癬や爪白癬は、長期的に見れば転倒のしやすさや歩きにくさにつながり、高齢者では骨折や寝たきりの原因になりかねない。
まず念頭に置くべきは、「症状がない=足・爪白癬ではない」は違うということ。特に爪白癬は、「爪の色が白く濁る」「爪の厚みが増して変形する」「爪がもろく崩れやすい」といった爪の変化が見られるものの、痛みやかゆみを伴わないので放置しがちだ。ベテラン皮膚科医でも見た目だけでは診断をつけられないので、素人であれば「見た目で判断」は無謀。もしかして、と思ったら皮膚科医の受診を。
「足白癬は市販の塗り薬もありますが、爪白癬は市販薬はありません。塗り薬であれば年単位での日数がかかり、飲み薬は効果が高いものの、肝機能障害を生じることがあり、慎重に投与しなくてはならない。足・爪白癬ともに見た目がきれいになったからといって治療が終わりではない。白癬菌が完全にいなくなるまでには時間を要し、途中で治療をやめると再発、別の場所への感染を繰り返します」