配食サービスはもろ刃の剣? 頼りきる前に考えるべきこと
正直な話、最初はその意見にカチンときた。何とか続けてみないか説得しても拒絶された。自分で買い物や料理がほとんどできないでしょ? と意見しても頑固に「何とかする」と言い張った。仕方なくその後しばらく好きなようにさせると、季節の野菜で煮物や味噌汁くらいは作り、たまに買い物に行くとスーパーの総菜コーナーでコロッケや唐揚げなどを買ってきていた。
それじゃ弁当の中身と変わらないじゃないかと突っ込みたくなったが、後日、筆者も試しにコンビニ弁当を続けて食べてみたところ、確かにすぐ飽きた。昼ならともかく、夕食まで弁当が続くとうんざりすることに気づいた。
しかも、親たちはこれを孤食。つまりひとりで食べているわけで、食事中の会話もない。嫌がるのも無理はないと悟ることができた。この話を同世代の友人たちにすると、実はウチも……、とうなずかれる確率が高かった。結論として出てきたのは、自分で何とか買い物や料理ができるうちは、毎日配食サービスを頼むことは避け、せいぜい週に2回程度に抑えること。実家に行くことができる日は、できるだけ一緒に食事をする機会を増やし、家族だんらんの象徴でもある食卓を賑やかにすることだった。その際、無理に食卓を豪華にする必要はない。たとえ買ってきた弁当でも一緒に食べてくれる人がいると、親たちの食欲はいつもよりずっと旺盛だったからだ。
あくまで筆者の身の回りの話ではあるが、これから配食サービスを導入しようと考えている方は「そういう話がある」くらいの記憶にとどめてもらえれば幸いだ。