調査の結果、心理的苦痛は研究参加者の36.6%で認められ、一般的な日本人口における24.9%よりも高いことが分かりました。研究参加者の介護期間は平均4.2年で、1日の介護時間は平均2.4時間でした。介護が終了した時点において、心理的苦痛を有する人の割合は、女性で5.6%、男性で1.9%低下し、その後も安定して低い水準を維持していました。また、男性と比べて女性の介護負担が重く、心理的苦痛を有する人の割合も高いことが分かりました。
論文著者らは、「介護保険制度においては、家族による介護に過度に依存することを避け、介護者の社会的孤立を防ぐための政策が必要である」と結論しています。