「重粒子線」がん治療の基礎知識とこれから…保険適用拡大で注目

公開日: 更新日:

「公的保険の適用が増えたことで、今後はさらに臨床データが集まり、重粒子線の治療効果の優位性がハッキリするでしょう。しかもこの治療法は治療後の社会復帰が容易となる。仕事の忙しい人や手術など従来の治療による肉体的負担に耐えられない高齢者などを中心に重粒子線によるがん治療は増えていくでしょう」

 そんな重粒子線治療はいま新たな段階に入りつつあると黒﨑医師は言う。

「重粒子線治療器の小型化・実用化が進んでいます。1994年に稼働した重粒子線治療装置はサッカー場規模の広さで、その後、体育館程度にまで小型化しました。これをテニスコート規模にする試みが進められています。また、昨年には、炭素粒子に加え、電荷・重さの異なる複数の粒子を使った臨床研究が始まりました。放射線抵抗性の強い低酸素領域のがんには炭素より重い酸素やネオンビームを照射し、それ以外のがんには炭素をぶつけるというやり方です」

 がん制圧にまた一歩近づきつつある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差