病床再編で病院のサバイバルが始まった

公開日: 更新日:

 政府案では2025年までに入院用の病床を高度急性期、一般急性期、亜急性期、長期療養の4つのカテゴリーに再編することになっています。あくまでも病床の種類の話で、同じ病院の中にこれらの病床が混在していても構いません。ただ実際には病院そのものが、この4つのカテゴリーに再編されていくと予想されています。

 病院ランキングに載るような大病院、有名病院、専門病院の大半は高度急性期病院になれそうです。そうなれば単価の安い軽症患者を受け入れずに済み、単価の高い重症患者のみを、さらに多く集められるようになります。リハビリ専門の病院は亜急性期病院に転換して存続できますし、療養病院・老人病院は現状維持。あるいは介護施設に鞍替えすることも容易です。

 困るのが中途半端な一般病院。これといった特色のない中小病院や、地方の中規模の総合病院などです。高度急性期病院は無理。しかし人員も装備も一人前に揃えてしまっているため亜急性期病院に変身するのも難しい。まして、いまさら長期療養病院にはなれない。一般急性期病院として生き残る以外にないのですが、政府案によれば、その病床数が地域ごとに制限され、しかも削減されてしまうのです。対象となりそうな病院は戦々恐々。生き残りを懸けた椅子取りゲームならぬ病床取りゲームが、まさに始まっているのです。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動