パンツがきつくなったら注意 急にせり出たお腹に潜む重大病
■短期間の体重増が危ない
そのひとつががんだ。がんが進行すると、お腹にがん細胞が散らばるように広がり、がん性腹膜炎を起こすことがある。
「消化器系や婦人科系の末期がんに多く見られる症状で、がん性腹膜炎になると、お腹の臓器と臓器の間に腹水がたまります」(松尾院長)
その量は数リットルから十数リットルに及ぶ。お腹がぽっこり出て息苦しくなり、胃が圧迫されて食欲が落ちることもある。
「末期がんといっても、中野さんのように膨満感以外、特段の痛みなどの自覚症状がなく腹水がたまり、それががん発見につながるケースもあります」(松尾院長)
心臓のポンプとしての機能に障害が出て、血液を十分送り出したり、戻ってきた血液をスムーズに取り込めなくなる状態を心不全という。この場合も腹水がたまる。都内の循環器科医師が言う。
「心不全は心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧などあらゆる心臓病で起きる症状です。心不全で腹水が見られるのは、右心室の機能が衰える右心不全の時で、静脈がうっ血し、全身に血がたまります。血液の巡りが悪くなるため栄養が行き届かず、疲れや脱力感があり、手足が冷たくなります」