Aβ減らすアーモンドやナッツで認知症は本当に防げるのか
逆にタウの蓄積と神経細胞死、さらには病状とその進行は、複数の研究によって強い相関関係が明らかにされつつある。
「遺伝子改変技術で脳にAβが沈着するマウスをつくっても神経細胞死は観察されなかったり、脳内PET検査でAβの沈着が確認されている正常人も多数存在します。逆にAβが蓄積せずに、タウだけが異常になって蓄積してくる認知症がある。若年性認知症の一種であるピック病がそれで、性格変化や抑制が利かない行動をする症状が表れたりします。転びやすくなったり、運動機能の障害が先に出る前頭側頭型認知症もあるのです」
これらの認知症はいずれも異常なタウによって引き起こされる病気ということで、「タウオパチー」と呼ばれている。
頭部に衝撃を受けるアメフト選手やボクサーが発症する外傷性脳症は認知症症状が出ることが知られているが最近は、その患者の脳には、「タウタンパク質の蓄積」と「脳組織の変性」が確認されている。
「Aβはむしろ脳卒中などとの関連があるのではないかと思っています」