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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

相次ぐがんのリスク調査 日本人は糖尿病と痩せ過ぎが危険

公開日: 更新日:

 がん肥満に密接な関係があるのは事実でしょう。昨年末に海外の研究チームが発表したデータによると、男性の肝臓がんは23・3%、子宮体がんは38・4%が肥満や糖尿病に起因すると推計。この割合は2035年にそれぞれ34・3%、47・9%に上昇すると予測しています。

 肥満ががんを助長することは明らかですが、特に強い関係が認められる肥満度30超は、欧米ならともかく日本人ではまれです。ネットで拾える数値で計算すると、北斗さんの肥満度は24・8。今回の子宮体がんの調査では、基準となる「肥満度23以上25未満」に含まれますから。

 そこで、注意したいのは糖尿病と痩せ過ぎのリスクです。世界的には、がんへの影響度は肥満が糖尿病の約2倍ですが、日本を含むアジア地域の解析では、男女とも逆転します。糖尿病が肥満を上回るのです。

 糖尿病の人とその予備群はそれぞれ約1000万人に上ります。そういう人は、血糖値を下げるインスリンが分泌されにくかったり、インスリンが効きにくかったりする「インスリン抵抗性」が背景にあるのです。

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