著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

運動で血糖値低下し捕食 体重維持の目的がかえって太る

公開日: 更新日:

 病歴15年、1型糖尿病患者であることにもすっかり慣れたとはいえ、「本当に不便だな」と思うことは今でも折々にある。

 たとえば、ふと気が向いたときに間食をするというのが難しい。お祭りなどの屋台で目についたものを気ままにつまみ食いするのもそうだ。

 もちろん、その都度血糖値を測ってしかるべき量のインスリンを打てば、できなくもないのだが、食事以外の飲食に対するインスリンの適正な量をとっさに見定めるのは、言うほど簡単ではない。たいていは打ちすぎてしまって、あとでさらに補食をする羽目になる。

 運動も厄介だ。僕はもう7年間も、日課として6キロのランニングを続けている。1型患者の場合、運動をしたところで症状が改善されるわけではないから、これは治療のためというより体重コントロールと運動不足解消のためだ。

 しかし、激しい運動をすれば、当然血糖値はぐっと下がる。ランニング後に低血糖に陥って補食するなど日常茶飯事だし、低血糖を避けるために事前に適量補食しておく場合もある。結果として摂取カロリー量が見込みより増え、かえって体重が増加してしまうという本末転倒な結果になることすらある。膵臓がまともに機能している人は、こんな苦労とは無縁なのだなと思うと、今さらながらうらやましい気持ちにもなる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造