全科目満点は目指すな モチベーションはビリギャルに学ぶ
4月から「ライフデザインドック」を本格スタートした「慈恵医大晴海トリトンクリニック」。その所長である横山啓太郎同大教授が始めたのは、患者の「マインド」(考え方、姿勢)や「やり方」(取り組み)を診療の基軸にすることだ。
例えば血圧が少し高くなったといっても、高血圧の初期症状は風邪や腹痛と違い、高熱や痛みなどはほとんどない。
患者は「もう少し後でも治療は大丈夫」と思い込み仕事や生活を優先させてしまう。その間に心筋梗塞や脳梗塞などの重大病がジワジワ進行し、手遅れになるケースが多かった。
病気克服にやる気を見せない患者を奮い立たせるため、横山教授の頭に浮かんだのは「ビリギャル」の受験法だった。
「中高時代の成績がビリだった女の子が、たった1年間で偏差値を40も上げ、慶応大学に現役入学ができたビリギャルの受験法には、やる気のない患者さんの行動を変える方法があるのではないか、と思ったのです」
「ビリギャル」とは、名古屋に住む実在の女子高生のこと。