腰痛で原因特定は15% ヘルニアも狭窄症もMRIが決め手
脚を伸ばしたまま上げると、痛みやしびれが増すかどうか調べるのが、下肢伸展挙上試験。これに反応したり、X線やMRIなどの画像で圧迫部位を調べたりしてヘルニアをチェックします。ほかの2つも、圧迫部位の同定が大切で、X線よりMRIが効果的です。
腰椎の骨折やがんの骨転移がもうひとつ。高齢で腰が丸くなるのは、骨粗しょう症による骨折のためで、X線と骨密度で調べます。骨転移はX線で骨の破壊像を認め、さらに骨の形成を調べる骨シンチグラフィーをプラスします。脊髄そのものの腫瘍はX線では分からないので、MRIです。
腰以外に原因があるのは、尿路結石や子宮の病気、胆のう炎や十二指腸潰瘍などの消化器疾患が知られていますが、たとえば尿路結石なら背中や排尿時の痛みのように病気に関連する症状が加わります。一般に腰痛よりそちらの症状が気になるはずで、対応する診療科で適切な治療を受けると、腰痛も良くなります。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)