帯状疱疹ワクチンの驚きの効果 頭痛が起こらなくなった
「さらに群発頭痛の発作時、副腎皮質ホルモン剤の予防的投与に加え帯状疱疹治療で使う抗ウイルス薬を5日間投与すると、頭痛発作期間が短くなったのです。ただ、この抗ウイルス薬は皮膚に発症した帯状疱疹に適応とされているもので、群発頭痛の発作時に繰り返し処方しづらい。そこで帯状疱疹ワクチンの効果の研究を行ったのです」
帯状疱疹ワクチンを打った群発頭痛患者94人の発作状況を56カ月間追跡調査した。ワクチン投与36カ月後の質問票では「改善した(発作が起きていない)」と回答した人が71%。投与54カ月後には、99%の人に何らかの改善が見られた。56カ月後には、36カ月時点で改善が見られなかった人も、このうち63%が「改善した」、26%が「発作は起きたが短期間で改善した」と答えた。
群発頭痛の原因のひとつは、目の奥にある海綿静脈洞という静脈のネットワークのむくみだと推測されている。
「三叉神経の帯状疱疹ウイルスが活性化すると海綿静脈洞のむくみを誘発する神経炎症物質が放出されます。群発頭痛は睡眠中に起こりやすいのですが、海綿静脈洞の血流は立っている時は上から下へと流れむくみが改善し、睡眠時に横になると血流が停滞してむくみやすくなることとも関連していると考えられます」