新型コロナ予防にカキと玉ネギ?医師注目のケルセチンとは
「かつてSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した時、SARSの治療薬の研究で、亜鉛がウイルスのタンパク・RNA合成システムの転写因子RdRpを阻害し、ウイルスの増殖を抑制することが明らかになりました。新型コロナは遺伝子がSARSと酷似する、同系のRNAウイルス。推定ですが、SARSと同様、亜鉛が新型コロナの増殖を抑制できる可能性がある。遺伝子変異を来しやすい新型コロナに対しては、むしろワクチン以上のパワーを発揮するかもしれません」
ところが、亜鉛は血中に取り込まれても、細胞内には流入しづらい。前述の通り、塩酸クロロキンは亜鉛の細胞への流入を促進するが、一般の人には使いにくい。そこで、ケルセチンなのだ。
「実は、ケルセチンにも亜鉛を細胞内へ流入する働きがあるのです。塩酸クロロキンと同じ働きを持ち、かつ食品成分であり、健康食品でもあるケルセチンは、副作用の心配がない。しかも、安価で簡単に手に入るサプリメントもたくさん出ている。亜鉛とケルセチンが新型コロナに本当に効くかは分からないものの、予防対策として、試してみる価値は十分あると考えています」
亜鉛とケルセチンを一緒に取る。山嶋医師はこの数週間、妻や子供、病院職員たちとともに、ケルセチン500ミリ、亜鉛10ミリ、免疫力の向上に役立つビタミンC1000ミリを毎日1回、摂取しているという。