歯<上>3割が菌血症 専門家が教える朝と夜の正しい歯磨き法
唾液中にはたくさんの口腔細菌が含まれ、しっかり歯磨きをする人でも、唾液1ミリリットル中に1億個の細菌が含まれているとされる。歯を磨かない人では、その100倍(100億個)だ。口の中に分泌される唾液量は、1日当たり1~1・5リットル。飲み込む唾液量を1リットルとすると、人は毎日、1000億~10兆個の細菌を飲み込んでいることになる。
■口腔内菌種の半数が腸に存在
「胃の中には非常に強い酸性の胃液が存在し、さらに強力な消化酵素を含んでいます。そのため、かつては口の細菌が腸管に棲みつくことはないだろうと考えられていました。しかし、口腔細菌と腸内細菌を遺伝子レベルで比較すると、口の中の細菌種の約半数が、腸の中にも生息することが報告されています」
唾液と一緒に飲み込んだ膨大な数の口腔細菌は、胃酸によってほとんど死滅してしまう。しかし、食片に紛れた菌が生きのびる可能性もあり、また体調が悪くて胃酸や消化酵素の分泌が悪いときなどは、生きのびて腸まで届く細菌の数が増えることも考えられる。