コロナ患者を診ているがん専門医からの便りで考えたこと
ある病院でがん診療をしているA医師から、こんなメールが届きました。
「先生! 30代の男性が車の中で亡くなっていたのが見つかり、PCR検査で陽性でした。男性の妻は感染して入院中で、NHF(ネーザルハイフロー=鼻から高流量の酸素を入れる装置)中です。少し良くなってきました。1歳のお子さんも入院させました」
突然の夫の死……母と子は、これからどう生きていくのでしょうか?
これまでがんを専門にしてきたA医師も、コロナ患者の診療で大変な苦労をされています。
先日、こんな報道がありました。PCR検査で陽性判定された40代の男性は、同居中の両親がいる実家には戻らず、都内某区の勤務先でひとり過ごしていましたが、数日後、死亡しているのを家族が発見したそうです。
保健所は複数回、男性に電話をかけ、連絡が取れなかったのですが、両親や警察には連絡せず対応を打ち切ったといいます。男性の父親は「行政は何もやらないんだから、もっと早く診てやってくれていれば」と語ったそうです。