テレワークの普及はがんリスク上昇につながってしまうのではないか
厚労省は、テレワークを推進するメリットについて次のようなことを挙げています。
「オフィスでの勤務に比べ、働く時間や場所を柔軟に活用できる。通勤時間の短縮や、これに伴う心身の負担の軽減。仕事に集中できる環境での業務の実施により、業務効率化につながり、それに伴う時間外労働が削減できる。育児や介護と仕事の両立の一助となるなど、仕事と生活の調和を図ることが可能となる」
それはそうなのかもしれません。しかし、私はメリットばかりではないように思います。たとえば、国立がん研究センターがん情報サービスの推計によれば、がん予防のためには「適度な身体活動」「適正体重の維持」「節酒(飲酒する場合には節度のある飲酒を)」「バランスのよい食生活」「禁煙」の5つの生活習慣を挙げています。これで、がんのリスクが男性で約43%、女性で約37%低くなるというのです。
Aさんの話を聞いていて、毎日の通勤は「適度な身体活動」「適正体重の維持」に役立っているのかもしれないと考えました。むしろ、在宅テレワークを推進することで、運動不足で太ってしまい、がんや心臓病が増えることにならないか心配です。