乳がん経験者だからわかること(下)予想外の出費で悲鳴 ウィッグは50万~60万円
■治療費以外の予想外の出費が多い
「MICIN少額短期保険株式会社」が乳がんと診断されたことがある人を対象に行ったインターネット調査では、56%が予想外の出費を感じていた。たなかさんは「ウィッグが20万円ほどしました。でもこれは安い方で、50万~60万円するものも」。
黒田さんは「がんというと治療費がかかるというイメージが強いが、がんになってわかるのは、治療費以外の出費の多さ」と指摘する。
「私の場合、個室ベッド代が1日3万円プラス消費税が痛かった。全額自己負担で高額医療費の対象にもなりません。ウィッグなどもそうですね。小さい子供がいる人ではシッターさんを雇うなど家事・育児をアウトソーシングするためのお金がかかる可能性もあります」(黒田さん)
■保険は内容や加入のタイミングを考慮
備えあれば憂いなしの「保険」だが……。
「治療費だけではなく生活費もあるので、保険の一時金で賄えたのが助かりました。ただ、保険の内容は確認しておくべきです。今は、先に抗がん剤治療を受けてがんを小さくしてから手術、というケースも少なくありません。私の場合もそうで、術前の抗がん剤治療は外来で受けたため、『入院以降』という条件の保険は、術前抗がん剤治療には下りませんでした」(EMIさん)