【総ビリルビン】ヘモグロビンの老廃物 基準値超えたら超音波検査を
健診結果の中に、「総ビリルビン(T-BIL)」が入っているという人も少なくありません。しかしどんな数値か、知っている人は少数派。いわば健診の“謎項目”のひとつです。
ビリルビンは、赤血球のヘモグロビン(酸素運搬を行うタンパク質)の老廃物です。赤血球は約4カ月で寿命が尽き、脾臓で破壊されます。その際、ヘモグロビン分子も分解されてビリルビンとなり、血液中に放出されます。その後、さらに肝臓で処理されて、胆汁として十二指腸に放出され、最後は、便と一緒に排泄されるのです。
健診で測定するのは、血液中のビリルビン濃度で、基準値は0.4~1.5㎎/デシリットルです。「総」という字が付いていますが、ビリルビンには「直接」と「間接」の2種類があって、その合計という意味です。
基準値を超えている場合は、次の3つのことが考えられます。
1:肝臓が悪い
2:胆道が悪い
3:先天的な体質
ただし、どんな病気かは特定できません。かなり大ざっぱな検査項目と言っていいでしょう。しかし体質だとしたら、健康上の問題はないので、気にすることはありません。また肝臓はAST/ALTやγ-GTPの数値を見れば、状態が大体分かります。