子供がしっかり食べているはずが栄養不足? 朝食に「グラノーラ」プラスオンで早起き&快便
栄養バランスを手軽に改善
とはいえ、共働き世帯が全体の6割超を占める日本において、毎朝栄養バランスの整った朝食を準備するのは親にはかなりの負担となる。そこで、カルビー㈱と早稲田大学、それに古谷准教授率いる愛国学園短期大学の研究チームは、できるだけ簡単に子供の朝食の内容を充実できる方法を模索する研究成果を英文誌に報告した。
「手軽に取れる食品としてグラノーラスナックを選択しました。すでにグラノーラを含むシリアル食品は朝食として広く受け入れられているうえ、朝食にシリアル食品を取っている人は食物繊維やビタミンB群、鉄分などを多く摂取しているとの報告があったからです」
この食べ方の効果の判定指標として睡眠リズムと便通状況を取り上げたのは、成人の朝食でのシリアル摂取がQOL向上や排便促進につながるとの先行研究があったためだ。
研究には都内在住の小学校1~6年生の26人が参加。普段の朝食を取る群と普段の朝食にグラノーラスナックをプラスオンした群に分けて1週間過ごしてもらい朝食での27種類の栄養素の充足率と排便状況と睡眠時刻を調べた、という。
具体的には期間中の朝食の内容を記録して、それを栄養士が目視して栄養充足率を算出。期間中の就寝時刻、起床時刻、排便の回数や日数、便の状態などを調査した。その後、1週間自由に過ごしてもらった後に、今度は役割を変えてさらに1週間過ごしてもらい同様の項目を調べた。
結果は、グラノーラスナックをプラスオンしたことで朝食における16種類の栄養素の充足率が高まった。そのうえ起床時間は平日が11分、週末は15分早まったことから、朝食の栄養バランスを充実させたことで夜型から朝型傾向になった可能性が考えられるという。
1週間の排便回数も6.5回から7.7回に増え、もともと排便回数が0~4回と少なかった子供たちの排便回数が増加した。便の形状自体は変化していないことからも、便のかさ自体が増え、排便状態の向上がみられた。
「近年、子供たちの『よく体を動かし』『よく食べ』『よく眠る』といった成長期に必要不可欠な生活習慣が乱れていて、それが体力、気力とともに意欲を低下させる原因になっていることが指摘されています。もちろん、この研究は被験者数が少ないため、それだけで断言することはできませんが、朝食の栄養不足がその原因のひとつであり、その解決策に今までの食事にプラスする補完食の考え方が有効である可能性があると考えます」
「子供には栄養のバランスのとれた食事を与えたい」という気持ちはあっても朝食の支度にかけられる時間は限られる。子供のためにも「プラスオン」する新しい形の朝食のあり方も考えてみてはどうだろう。