「孤独」が心臓病のリスクをアップさせるのはどうしてなのか
また、孤独を感じることが多い1人暮らしの人は、食生活が乱れて栄養が偏ったり、運動不足になりがちです。さらに、なかなか寝付けない、熟睡できないといった睡眠トラブルも起こしやすくなります。睡眠が不足すると交感神経が優位になるので、さらなる悪循環を招きます。
■高齢になるほど悪影響を受ける
どんな場面で孤独感、ストレスを感じるかは人それぞれですが、一般的な目安となる指標があります。ストレスの種類と大きさを数値化して分類した「ホームズ・ラーエのストレス指標」が有名で、それによると、「配偶者の死」がストレス強度100で最大とされています。続いて離婚や別居などが上位になっていることから、近しい人たちとの別れは強い孤独を感じ、大きなストレスを受けるといえるでしょう。
また、高齢になるほど孤独が心身に悪影響を与えることもわかっています。国際精神神経内分泌学会の公式ジャーナルに掲載された報告によると、若年層では孤独が解消されれば先ほど触れたコルチゾール濃度も低下するのですが、年齢が上がるにつれてなかなか低下せず、前日の孤独感が翌朝のコルチゾール濃度に影響するといいます。年をとると、孤独の影響を長く引きずり、慢性化しやすくなるのです。