長引くまぶたのピクピクは「顔面痙攣」の危険あり…生活に支障が出るケースも
「当院では年間約20件の顔面痙攣の手術を行っていて、9割以上の方は痙攣の症状が完全に消失しています。しかし、顔面神経と聴神経は並走しているので、万が一、手術時に神経に負担がかかったり傷つけると術後に聴覚障害を引き起こすリスクがある。聴神経は非常に弱い神経であるため、手術を行う際は細心の注意を払う必要があります」
前出の40代後半の男性は、当初は服薬治療を受けていたが、十分な効果を得られず手術を決意。神経血管減圧術を受けた翌日には顔面痙攣は完全に消失し、7年間続いた症状から解放された。術後のMRIでも神経の減圧が確認され、聴力も術前と同様に障害はなく、手術から1年経った現在も再発することなく過ごしている。
一方で、痙攣の症状が完全に治まるまでに時間を要するケースがまれにあるという。
「手術直後に症状が消失する方もいます。しかし、術後にいったん症状が消失しても再び痙攣が出現し、その後徐々に改善していく場合もめずらしくありません。通常は1カ月程度で改善していきますが、それよりも長く痙攣が気になるようであれば、ボトックス注射を併用するのも有効です」
まぶたのピクピクを一過性のものと甘く考えず、1カ月以上続いたら顔面痙攣も疑いたい。