認知症の親が不意に泣いたり怒ったりするのはなぜか?
普段、私たちも悲しい出来事があれば思いっきり涙を流し、泣き終わると気持ちが晴れるのと同様に、認知症の方も感情をあらわにした後は必ず落ち着きを取り戻します。さらに一度感情失禁が起こると、その後しばらくは症状が現れないほか、感情失禁の症状は数カ月から半年で必ず治まるので、過剰に心配する必要はないと言えるのです。
ただ、泣いたり笑う状態が食事中に見られる場合、誤嚥のリスクが高くなります。感情失禁が起こる頻度によっては、誤嚥を防ぐためにドーパミン製剤や漢方薬が処方されるケースもあります。
▽園田康博(そのだ・やすひろ) 1986年昭和大学医学部卒業後、昭和大学第三内科入局、亀田総合病院、蒲田内科クリニックを経て、2015年東京メモリークリニック蒲田を開院し、院長を務める。