子どものアトピー性皮膚炎を悪化させない、しっかり治す…「見た目が良くなった=完治」ではない
こう指摘するのは、「ユアクリニック秋葉原」院長で、小児アレルギーの治療に詳しい杉原桂医師(小児科専門医)。アトピー性皮膚炎には冒頭の新薬が必要な患者もいるが、従来薬でも十分に治療が可能なのに、間違った認識によってこじらせている患者がかなりいるという。そもそも乳幼児では、受診段階ではアトピー性皮膚炎ではない場合もある。
「これからの季節では、アトピー性皮膚炎でなくても皮膚乾燥を放置したために、かゆみが生じて湿疹になっているケースもよく見られます」(杉原医師=以下同)
アトピー性皮膚炎は、乳幼児では最初、頬、額、頭の露出部が乾燥し、赤くなる。肌が乾燥すると皮膚のバリアー機能が損なわれ、異物が入りやすくなる。すると、免疫反応が過剰になって、かゆみがひどくなり、かきむしり、やがて皮疹が顔面全体、そして体へと広がっていく。アトピー性皮膚炎から、喘息、鼻炎といったほかのアレルギー疾患へと連鎖していくこともわかっている。
つまり、正しい知識を持って乳幼児の湿疹対策、アトピー性皮膚炎の初期治療をしっかりすることが肝心なのだ。