失明リスクも…コンタクトレンズが引き起こす合併症から目を守る
■3カ月~半年に1回は定期検診を
ほかに、とりわけ注意したい合併症が「感染症」だ。
「最も避けたい目の合併症に『感染性角膜炎』が挙げられます。これは角膜欠損部から緑膿菌などの細菌や真菌(カビ)、アカントアメーバなどの微生物が侵入して角膜に炎症を来す疾患で、日頃からCLを外さないまま眠ったり、CLの使用期間を守らない、汚れた手指でCLに触れるといった不適切な使用習慣が発症のトリガーになります」
日本眼感染症学会の主導による感染性角膜炎全国サーベイランス(2006年)の調査によると、感染性角膜炎の発症ピークは20~30代と60代で、感染性角膜炎と診断された患者のうち約42%はCL装用者であることが分かった。
「感染性角膜炎が起こると激しい眼痛、異物感、まぶしさのほか、本来、透明であるはずの角膜が白く混濁して、視力が低下します。さらに重症化すると、角膜に穴が開いて眼球の形が保たれなくなる『角膜穿孔』を引き起こし、眼球の内部にまで感染が進展すると『眼内炎』という状態になり、最悪の場合失明に至るケースもあるのです」