「キリの理容室」上野歩著
神野キリの母は、独立して理容店をやるといってサラリーマンの父とキリを残して家を出た。だが、出資してくれた男と一緒に暮らしていることがわかった。キリはそんな母を嫌っていたが、母と同じ理容師を目指す。
理容師国家試験はなんとか合格したものの、カッティング技術は合格ラインすれすれだったので、理容学校の教務主任が修業先を紹介してくれた。そこはかつて母が働いていた「バーバーチー」だった。
ひとりで店を切り盛りしている広瀬千恵子は子供の頃、よく母の職場に遊びに来たキリを覚えていた。即採用となったが、雑用ばかりでなかなかカットを任せてもらえない。
女性も通える、おもてなしの精神をもった理容店を目指す理容女子の物語。 (講談社 1500円+税)