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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ノーベル賞で注目オプジーボ “ターゲット”は進行肺がんか

公開日: 更新日:

■全身の転移が消えて3年生存も

 当初、皮膚がんの一種、悪性黒色腫で適応され、その後、いろいろながんに拡大されています。しかし、その多くに「切除不能な」「再発」「化学療法後に増悪した」といった限定する条件がつけられているのも事実。がんの種類としては、皮膚がん、肺がん、腎がん、頭頚部がんなど幅広く使えるものの、現状は進行がんの人に限られています。

 それぞれのがんで適応かどうかは、遺伝子検査で見分けますが、オプジーボの適応の方にきちんと投与すると、その効果はこれまでの抗がん剤を上回るものがあります。その点で注目しているのが、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の方への投与です。

 非小細胞肺がんは、肺がんのうち85%を占め、最近は脳転移との関係でも注目されています。がん患者のうち10人に1人は脳転移になりますが、50%は肺がん由来。つまり、オプジーボに代表される免疫チェックポイント阻害薬が効果を発揮すると、脳の機能を守ることができる可能性があるのです。

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