子宮頸部異形成<1>結婚を遅らせた理由のひとつでした
神奈川県内に住む地方公務員、青山文江さん(仮名・40歳)は、独身女性である。
大学卒業後、地方公務員を選択し、20代、30代は好きな旅行や食べ歩きに青春を謳歌した。その間に、結婚適齢期を逃してしまう。
「少し恥ずかしいというか、両親にも詳しい話はできませんでしたが、子宮に問題があったことも結婚を遅らせた理由のひとつでした」
母親は一人娘、青山さんも一人っ子である。それだけに母親は娘に、早い孫の誕生を期待した。
35歳前後に、結婚寸前までいった男性がいた。
「でも、20代の頃から月々の生理日が不順で、30代になると、時々、出血が見られるようになりました。また、オリモノで下着を汚し、下腹部に不愉快な痛みが走ることもありました」
子宮に問題があることは自分でもわかった。しかし、痛みが我慢できる範囲だったこと、親しい友人や同僚にも恥ずかしくて相談できなかったこと、治療が婦人科ということで、「もう子どもは産めませんよ」と診断されるのを恐れたことなどが重なり、受診を先延ばしにしたという。