セックスの運動強度は心臓が壊れるくらい激しいものなのか
では、セックスはどうでしょう。国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ表改訂版2012年」では、「性行動」として3つの身体活動を挙げています。受動的(楽な労力、キス、抱きしめる)は「1.3メッツ」、全般(ほどほどの労力)は「1.8メッツ」、積極的(きつい労力)は「2.8メッツ」としています。これで比べてみると、積極的な性行動でも「ウオーキング」や「普通歩行(4キロメートル/時、平らで硬い地面)」などの3メッツ程度の運動強度しかないことが分かります。
ただし、セックスの激しさは個人差が大きいので、あくまで目安とするのがいいでしょう。それに、この数字は夫婦など慣れたパートナーとの性行動とみるべきです。一般的に腹上死は不倫に多いとされます。それは通常のセックスと違って興奮度が増すので、それだけ心臓に負担がかかると考えられます。
ちなみに、厚労省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、メッツから消費カロリーも導き出されています。3メッツの運動を1時間行った場合の消費カロリーは、体重60キログラムの場合では120キロカロリー、体重70キログラムでは150キロカロリー、体重80キログラムでは180キロカロリーとしています。セックスにも程よい運動効果が期待できるわけです。