腎臓<下>腎臓を守るために必要な運動強度とメニュー 筑波大医学部教授が解説
有酸素運動に慣れてきたら、「筋トレ」を加えてみるといい。ダンベルやチューブなどを使うものではなく、テレビを見ながらできる簡単なものを紹介する。これも呼吸を止めず、普段通りに呼吸をしながら行う。
■片足立ち
椅子の背を横にして立ち、片手で椅子の背につかまって片側の膝を曲げ、足を上げる。その状態を30秒間キープする。反対側の足も同じように行う。この筋トレは、足腰の筋力を鍛えるとともに、バランス能力をアップさせる。
■つま先立ち
ふくらはぎの筋力を鍛える筋トレ。椅子の背の後ろに立ち、背筋を伸ばして両手で椅子の背につかまり、両足のかかとを上げる。そのまま3~5秒間キープし、かかとを下ろす。これを10回繰り返す。腎臓を守るためには、日頃の健康管理も大切になる。中でも肥満管理のための「体重測定」と、朝と夜の1日2回測る「血圧測定」は欠かせない。腎臓は体液量を調整し、同時に「レニン」や「プロスタグランジン」などのホルモンを分泌して、血圧をコントロールしている。ところが加齢、脂質異常症、糖尿病、高血圧など生活習慣病のために、全身の動脈硬化が進み、腎臓の血管も傷つき、腎機能が低下する。すると、血圧をうまくコントロールできないので、さらに血圧が高くなるという悪循環を起こすのだ。
「睡眠も大切です。良好な睡眠が取れないと、高血圧、糖尿病といった生活習慣病の原因となるとともに、腎機能障害の進行が速まることが知られています」
睡眠時間は、最低でも6~7時間は確保しよう。