大学生の体格からみる「所得格差は健康格差」医療情報学教授が語る
そんな学生は、当然太りやすくなったに違いない。コロナでしばらく帰省しなかった大学生の息子や娘が、久しぶりに帰ってきたら体がひと回り大きくなっていた、といった経験をお持ちの親も少なくないだろう。人間的にも大きくなっていれば、言うことはないのだが。
とはいえ、まだ若いので、多少太ったからといって、健康上の問題がすぐに生じる心配はほとんどない。それにBMI25程度なら、いわゆる“ちょいメタボ”の範疇なので、むしろ健康的と言っていい。
■経済低迷がもたらした異変
むしろ心配なのは、若者の体格が貧弱というか、華奢になる傾向が見られることではないだろうか。というのも、ここ10年ほどの間に、新入生が小柄になってきたと感じることが増えたからである。これは私だけが抱いている感覚かもしれないが、他大学に勤めている友人・知人の中にも、同じことを言う者が何人かいる。男子も女子もスマートになり、とくに女子では、身長が低い学生が増えた感じがするのである。