福井県「さばえ」のメガネは何が凄いのか? 海外有名ブランドも注目
目が悪くなると全身の健康状態が悪化するのをご存じか? 人は情報の8割を目から得ているとされ、加齢で見えづらくなると、転倒リスクが上昇するだけでなく、網膜へ届く光が減り、体内時計が狂って睡眠障害を起こしたり、脳への刺激が減り認知機能が低下するとされている。だからこそ、年を重ねるほど自分に合った良いメガネが必要となる。そのためには優れたメガネレンズ、良いメガネを提案し作ってくれる眼鏡技術者とともに、良いメガネフレームを手に入れる努力をすべきだ。幸い日本には世界的に有名な「さばえのメガネフレーム」がある。さばえのメガネを専門に販売している「さばえめがね館東京店」(東京・日比谷)店長の内田祐子氏にその利点について聞いた。
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「福井県鯖江市を中心にしたエリアでは国内のメガネフレームの約95%が作られ、イタリアのベッルーノ、中国・深圳とともに世界3大メガネ産地の一角を占めています。そこで作られるメガネフレームは『さばえのメガネ』として世界ブランドになっており、それを採用している海外ブランドもたくさんあります」
メガネのフレームは複雑な形状であるため、自動化できない部分が少なくない。それを作る技術を持つ職人が福井・鯖江には大勢いるという。
「ここで作られるメガネは、多いもので200以上の工程を経て完成され、その工程の一つ一つは専門の工場、職人たちの分業により手作りされています。かけ心地の良い、お客さま本位のメガネになっていて、日本人の顔にあったデザインになっているのです」
最近は中国などから安いメガネフレームが大量に輸入されているが、工程が少ないためにメガネを落としたりしたときの衝撃がフレーム全体に及び傷んでしまい、メガネ一式を買い替えざるを得ないケースが多い。しかし、鯖江のメガネフレームは衝撃がフレーム全体の損傷にならないよう、その部分だけが壊れ、後で交換できるように作られている。
また、メガネを長時間心地よくかけるには、鼻の部分に負担がかかり過ぎないよう、フレームの重さのバランスが重要になる。鯖江のメガネフレームは、それも計算され作られているという。