大きくなっても続くおねしょ…子供の自尊心を傷つける前に治療を
薬で夜間の尿量が適正なものになってくると、徐々に抗利尿ホルモンをうまく分泌できるサイクルが出来上がってくる。
また、子供の膀胱の過活動は膀胱の機能の未発達が関係している。薬で膀胱の緊張を緩めて尿をためられるようにするうち、膀胱が発達し、夜間でも十分にためられるようになる。薬は複数あり、年齢や症状で使い分けたり併用したり。夜尿症の改善に合わせて減量し、最終的にゼロへ持っていく。
アラーム療法も効果がある。欧米では第1選択肢である、夜尿症のポピュラーな治療法だ。
「センサーをオムツやパンツにつけておき、漏れた瞬間にセンサーが感知しアラームが鳴る。それで目が覚めて漏れたと気付けば、それ以上漏らさないようにおしっこをこらえる。繰り返すうち、膀胱にためられる尿が増えていきます。夜間多尿や膀胱の過活動があっても、漏らした瞬間に覚醒できれば、それ以上漏らさなくて済む。アラーム療法で子供が目覚められない場合は、親が子供を起こし、トイレに行くよう促します」
治癒までの期間として、「治療後、半年までに80%の子供で症状軽快」「治療後2年で治癒した子供は75%以上」といった報告がある。焦らずじっくり取り組むことが必要だ。