足のむくみから重大な病気が見つかるケースはあるのか?
中でも注意したいのが片足の「むくみ」です。以前、半年前から右足だけパンパンにむくむようになり、指で押すと皮膚が元に戻らないといった訴えで受診された60代の男性がいらっしゃいました。通常、心臓や腎臓、肝臓の異常によって起こるむくみは両足に見られるので、片足に限定したむくみは、そちら側に何かしらの器質的な異常があるサインともいえるのです。
血液検査や超音波検査を行っても、むくみに関わる血管や静脈、リンパ管などに異常はありません。しかし、CT検査を追加で行ったところ骨盤内に大きな「悪性腫瘍」が見つかり、これが静脈やリンパの流れを阻害してむくみを起こしていると分かりました。その後は腫瘍内科に転科され、がんの治療を開始されたといいます。
健常者であっても、長時間の立ちっぱなしやフライトの後は、足がむくむのは珍しくありません。一過性のものであれば放置しても構いませんが、慢性的に続く場合には重大な病気が隠れているケースもあるということです。