「子供は誰の子だ?」うたた寝の悲劇、妊娠中の不倫がまさかの夫バレ 35歳英会話講師の不倫欲 #2

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コクハク

これまでのあらすじ

【不倫依存~婚外恋愛を謳歌する男女】

 由奈さん(仮名・35歳フリーランス英会話講師/既婚・子供アリ)は、異業種交流会で出会った宗太郎さん(仮名・35歳不動産会社社長/既婚・子供なし)と不倫中だ。

 しかし、この不倫が「普通」と違うのは、由奈さんが妊娠中であるということ。

 5歳上の夫とは長きにわたりセックスレスだったが、宗太郎さんと不倫が始まって半年後、「2人目が欲しい」と妊活を提案してきた。

 悩んだ由奈さんだったが、娘には妹か弟を作ってあげたい気持ちもあり、夫の申し出を承諾。ほどなくして、妊娠に至った。

 一方、久しぶりに宗太郎さんに逢って妊娠の事実を告げると、彼の口から予想外の言葉が発せられた。

「おめでとう。僕たちの子供だね」

 目を潤ませて感激する彼に、由奈さんは真実を告げられず…。

 気になる続きの前に、第1話はコチラからお読みいただけます。

妊活を知ったらショックを受ける

 由奈さんは語る。

「宗太郎さんの想定外の反応に驚きました。完全に自分の子供を授かったと信じきってるんです。あまりの喜びように、私は夫婦で妊活していた事実は言えません…。

 だって、宗太郎さんは奥さんの浮気が原因で8年間も引きこもりになってしまった過去があります。やっと外出できるようになったタイミングで私と出会い、不倫関係になった。

 それに毎週のように逢瀬を重ねていましたから…ピュアな心を持った彼なら『夫との妊活』なんて、思いもしなかったでしょうし、知ったらショックを受けるでしょう?」

 しかし、由奈さん自身、大きな不安に駆られた。夫と妊活を始めてから妊娠に至ったものの、不倫相手の宗太郎さんとも避妊はしていなかった。

 もし、彼の子を妊娠したら…そう思ったものの、宗太郎さんも夫も血液型は同じA型だと気づいた。

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20人に1人は托卵妻?

 由奈さんは続ける。

「私はすっかり宗太郎さんにハマっていましたから、彼の子供を妊娠しても『一生、秘密にしよう』と墓場に持っていく覚悟でした。

 ご存じですか? 20人に1人は不倫相手の子供を夫の子供として出産し、夫に養育させているんですって。『托卵妻(たくらんづま)』と呼ぶそうです」

 由奈さんはその日、1カ月ぶりに宗太郎さんに抱かれた。

「とても優しく抱かれました。彼が『赤ちゃん、大丈夫かな』と言いながら、ベッドに横に寝た体勢で背後から貫いてきたんです。俗にいう『寝バック』ですね。

 赤ちゃんを大切にしなくちゃと思う一方で、女としてめいっぱい愛されて歓喜に浸りたい思いも強くて…。

 夫や家族には、いつもどおり『英会話の個人レッスン』と言っていますから、問題はありません。事実、英会話のレッスンは続けていましたし、家のことも家事代行サービスを利用しながら、可能な限り頑張りましたよ」

夫や娘への罪悪感はほぼゼロ

 由奈さんは、「体調が悪くて外出できなかった1カ月間を取り戻すかのように、仕事も恋愛も全力で挑んだ」と笑う。

「宗太郎さんとのLINEも、ラブラブ度がアップしていきました。彼、『子供の名前、どうしようか?』なんて相談してくるんです。その頃には性別は男の子だと報告していたので、彼は『赤ちゃんの名前辞典を買って、いろいろ調べているよ♡』とすっかりパパ気取り」

 娘や夫に対しての罪悪感はなかったのだろうか?

「無かったと言えば嘘になりますが、ほぼゼロに近いでしょうか。仕事をしっかりして家計を助けていますし、家事や育児も可能な限りやっています。そして以前も言ったように、『女に生まれてきたからには、女を満喫したい』がポリシーですからね。

 LINEもさらに刺激的になっていきました。『こないだ、中出ししちゃったけど大丈夫かな?』と心配する彼に、『妊娠9カ月くらいまでは大丈夫みたい。早く逢いたいな♡』と返信すると、『名前なんだけど、湊(みなと)とか、碧(あおい)はどうかな?』『素敵な名前ね』などと甘いやり取りが続きました」

ついに夫に不倫がバレた!

 その後も、2人は週イチでデートを続けた。

「8年間引きこもりだった宗太郎さんに楽しんでもらおうと、ネットで検索した人気のレストランで食事を楽しみ、その後はホテルで彼に抱かれました。私のほうから『宗太郎さんの温もりをじかに感じたいから』と避妊具を拒み、中出ししてもらったんです」

 聞いているほうがヒヤヒヤするが、幸せ絶頂の2人の生活が激変したのは間もなくしてからだった。

「大失態でした。私は宗太郎さんにLINEを送ったまま、ソファーでうたた寝してしまったんです…。目覚めた時、いつの間にか帰宅した夫が憤怒に満ちた目で私を見おろしていて『あ、おかえりなさい…』と慌てて起き上がろうとして血の気が失せました。

 夫の手に私のスマホが握られていたんです。

『あなた…どうしたの?』私は夫の手にしたスマホに手を伸ばしましたが、彼は返してくれません。もしかして見られた…? と思う間もなく、夫は『宗太郎って誰だ? すぐに連絡しろ!』と怒声を浴びせてきたんです。

LINEを消しておけばよかった!

 私は『逢えない時に読み返したいから』と、LINEを削除せずにいたことを深く後悔しました。が、すでに後の祭りです。何も言えず唇を震わせる私に向かって、夫は『LINEの内容は全部写真に撮った。子供の名前まで相談するとはな…。妊娠中に他の男と浮気したあげく中出しだなんて、お前、気は確かか?』

 そうブチギレたんです。

 とっさに『ち…違う!』と叫んだ私に『何が違うんだ! お前、母親だろう? 腹の子は誰の子なんだ?』という夫の怒号が重なりました。

 不幸中の幸いだったのは、娘は両親宅に預けていて不在だったことです。その後も夫は私を罵倒し続けましたが、頭が真っ白になりよく覚えていません。

 身から出たサビとはいえ、ショックで凍りつき動けずにいる私に、夫は冷徹に言い放ったんです。

『その男と話をするから、連絡しろ。腹の子のDNA鑑定もする』」

 続きは次回。

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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