サウジ戦は不思議な勝利 森保Jアジア杯8強進出は「幸運」
しかしながら、それ以上にサウジアラビアの決定力不足も目立った。準々決勝進出は、多くの幸運にも恵まれたことを自覚する必要がある。
前半を1―0で折り返し、後半の戦い方に注目した。ハーフタイムに森保監督は、選手にどんな指示を与えたのか? どんな具体的な方策を授けたのか? 期待を持って見守った。しかし、後半もサウジアラビアがパスを回し、日本陣地の深いところまで攻め入り、日本選手はボールをはね返すのに汲々としていた。
数少ないカウンターのチャンスに活路を見いだしたいところだが、1トップのFW武藤のところでボールは収まらず、トップ下のMF南野、右サイドMFの堂安とのコンビネーションも悪く、なかなかシュートにまで持ち込めない。90分間のシュート数は、サウジアラビアの15本に対して日本は5本にとどまった。
返す返すも「不思議な勝利」と言うしかない。
これから先、サウジアラビア戦のような試合展開になった場合、どうすれば状況を打開できるのだろうか? シンプルな言葉ではあるが、プレーしている選手一人一人が「もうひと踏ん張りパワーを振り絞って奮闘する」ことでチーム全体に活を入れ、局面ごとの争いでボールを奪う回数を増やしていくことで試合の流れを手繰り寄せていくしかないだろう。
準々決勝のベトナム戦まで「中2日」。タイトな日程だが、優勝を目指して頑張ってほしい。
(構成・日刊ゲンダイ編集部)