「教科書で出会った名作小説一〇〇」石原千秋編著
「教科書で出会った名作小説一〇〇」石原千秋編著
言葉は必ずある文脈の中で使われ、その文脈を変えれば意味も変わると編著者はいう。戦場に向かう兵士に「人を殺さないで」と呼びかけることが、「死んでこい」という意味になってしまうように。どんなに優しい言葉も人を傷つける言葉に変わることがあるのだ。
見えない文脈に気づき、違った文脈を想像する「クリエイティブな力が小説を読む力」だと説く編著者が、小中高の国語の教科書に収録されているお馴染みの小説を読み解いたガイドブック。
たとえば中島敦の「山月記」は、反抗期の気難しい生徒たちが食いつく最強の定番教材だという。
以降、芥川龍之介「羅生門」からサンテグジュペリの「星の王子さま」まで、100作の冒頭を紹介しながら、各作品を読むポイントをアドバイス。 (新潮社 649円)