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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

膵臓がん手術のピークは70代 その後に減少する理由は…

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 注目すべきは死亡数です。男女とも80代以上では、死亡数が新規患者数を上回っています。膵臓がんが見つかったのは70代、しかしその後何年か生き延びて80代で亡くなった人が結構いたことを示しています。他の年齢を見ても、膵臓がんと診断されてから、比較的長期にわたって生存できる人が(具体的な数字までは出せませんが)意外と多そうだ、ということが分かります。

 手術件数のピークは男女とも70代。男性は新規患者の約6割、女性は約5割が手術を受けた計算になります。しかし80代に入ると、手術は一気に減ります。とくに女性では、1割強しか受けていません。

 膵臓がんは腹腔鏡手術が難しいため、大掛かりな開腹手術になることが多いのです。80歳を越える高齢者にとってはかなりの負担で、かえって寿命を縮めることになりかねません。患者の体力が十分にあること、他の病気がないことなど、よほど条件が整わない限り、無理はしないということです。新規患者数の男女差はさほど大きくないのに手術件数の差が大きいのは、こうした事情によるものです。

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