病気をいち早く見つける「スマートウエア」って何だ? 着るだけで心拍数をチェック
東洋紡、オムロンヘルスケアとの産学連携で試行錯誤のすえ誕生したのがスマートウオッチならぬスマートセンシングウェア(写真)だ。東洋紡が開発した「伸び縮みする導電性のフィルム」を応用し、センサーと服(アンダーウエア)を一体化させた。「フィルム状導電素材」は厚さ0.3ミリと極薄で、ウエアを着ても「計測器が付いている」といった感覚は全くない。
「心拍数はもちろん、体温、発汗、呼吸、運動関節角度など、さまざまな生体情報を計測できます。下着を着るだけでいいので、お風呂に入っている時を除き、24時間365日、ストレスなく計測できるのが最大のメリットです」
■洗濯100回でも機能はそのまま
塩澤教授が強調するのは、「生体情報は必要にかられて計測するのではなく、必要と思っていない時期から長期間にわたり計測することが大事」ということ。その人にとっての傾向が見え、いち早く対策を講じられるからだ。
心拍数は健康な成人の安静時で1分間に60~100回といわれているが、同じ年齢の2人がどちらも心拍数90回/分とした場合、これが徐々に上がってきているのか、急激に上昇したのか、上下が激しく心拍が乱れた状態になっているのかなどで対策が異なる。