連載最終回に思うこと 阪神には「中途半端な8年間」に終止符を打ってほしい
しかし、実際の藤浪は翌年から極端な不振に陥り、金本監督時代のドラフト1位である大山悠輔は悪くはないが良くもないといった、なんとも微妙な感じの中軸打者になった。金本監督の後任を務めた矢野燿大監督時代にドラフト1位で入団した佐藤輝明もしかり。その長距離砲としての才能には誰もが惚れ惚れするものの、まだまだ完全開花には至っていない。
とはいえ、藤浪低迷の代わりに青柳晃洋というドラフト下位からの叩き上げエースが出てきたのは驚くべき喜びで、他にも投手については次から次へと楽しみな逸材が出現。藤川球児みたいなリリーフ投手はもう当分出てこないだろうと思っていたけど、そこにも湯浅京己や浜地真澄といった将来楽しみな若手リリーバーが現れたから、これはもううれしい限りだ。
本連載開始から8シーズンが経過し、阪神はその間に優勝こそなかったものの、暗黒時代とは言えないような半端な成績を残し続け、エースは育ったが、4番は育たないという、これまた半端なチーム状態を維持している。正直、そろそろスカッとしたい。05年の優勝から来年で18年となり、1985年と03年の優勝間隔と同じになった。来年優勝しなければ、あの期間よりも長くなるのかと思うとゾッとする。
突然だが、この連載は本号で終了する。連載中に阪神優勝がなかったのは痛恨の極みだが、第2次岡田阪神の幕開けを市井の虎党として気楽に見られるのはもしや僥倖かもしれない。岡田監督ならこの中途半端な8年に終止符を打ってくれると信じて、本連載の総括とさせていただきたい。(おわり)