認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは
家族や周囲の人は、患者さんのもともとの性格や個性、育ってきた環境を理解すると同時に、人格変化は認知症の症状によって引き起こされていると認識することが大事です。患者さんがどうしたらストレスを感じにくい環境で生活を送れるかを考え、患者さんに寄り添い落ち着いた接し方をするのが好ましいです。
認知症患者さんは、周囲の人からの対応で自分の人格変化に気付くこともありますが、認知機能障害が進んでいると気付けません。そのため、周囲の人は振り回されて、疲れてしまうケースが少なくありません。人格変化の対応で悩んだ際は、まずはかかりつけ医に相談し、各自治体の「地域包括支援センター」や「認知症の相談窓口」などに頼ることもお勧めします。
認知症を発症する可能性は誰にでもあります。発症後に人格変化を起こしにくくするために、普段からストレスを抱えない生活を心がけるといいでしょう。自分を取り巻く人間関係が複雑な場合、発症後の人格変化に大きく影響をもたらすので、事前に整えておくことが大切です。
▽松井悠輔(まつい・ゆうすけ)2015年に慶応義塾大学卒業後、17年に国立病院機構東京医療センター脳神経外科、18年に国立病院機構栃木医療センター脳神経外科を経て、19~22年に慶応義塾大学病院、脳神経外科助教。21年に吉祥寺まいにちクリニック総合診療科勤務を経て、今年6月に北千住セブンデイズクリニック開業予定。