食道<上>専門医が教える胃食道逆流症の原因と5つの改善策
食道が横隔膜を通っている隙間(食道裂孔)から、胃の上部がはみ出す「食道裂孔ヘルニア」を起こしている人は、胃の入り口部分の締めつけができなくなるので逆流が起こりやすい。糖尿病の人や睡眠時無呼吸症候群の人も胃食道逆流症を合併しやすいとされる。これらの持病の治療・改善も大切になるが、多くの原因は生活習慣に起因するものだ。
「胃液が逆流しやすくなった体そのものを元に戻すことはできませんが、食生活の見直しや身体的な要因の改善などによって逆流を減らし、症状を軽減することは可能です。ポイントは『胃酸を増やさない食生活』と『胃液を逆流させない生活習慣』です。軽症なら、これらを見直すだけでも逆流が起こらなくなる人もいます」
具体的にどんなことに注意すればいいのか。山村院長はこんなアドバイスをする。
●消化の悪い食べ物は控える
特に、脂肪分の多い食べ物は胃での滞留時間が長く、胃酸の分泌を活発にさせる。胃に刺激のある香辛料、コーヒー、お酒、炭酸飲料なども取り過ぎに注意。