「水疱性類天疱瘡」は湿疹や蕁麻疹と誤診されると重症化の恐れ

公開日: 更新日:

 水疱性類天疱瘡は、皮膚や粘膜に水ぶくれ、びらん、赤い皮疹ができる病気です。

 糖尿病の治療薬など特定の薬が原因となるもの、がんに伴うものなどいろいろな種類がありますが、大半は自分で自分の免疫を攻撃してしまう自己免疫疾患。この場合、原因は明らかでなく、治療法も確立されていないため国の指定難病となっています。患者は70~90代の高齢者に多く見られます。

 症状は、痒みを伴う水ぶくれ。初期は湿疹や蕁麻疹と似ており、正確な診断がされないケースも珍しくありません。診断には皮膚を一部取って調べる必要があります。

 痒いからとボリボリ引っかいたりすると、表皮に傷ができ、そこから細菌が入って感染症を引き起こしやすくなります。誤診や治療開始の遅れで、重症化したり、なかなか治らなくなることもあります。ある高齢の患者さんが私の元に来たときは、すでに皮膚がずるむけで、水疱が潰れて水がどんどん流れ、水不足とともに栄養不足になっていたことがありました。

 重症の場合は入院してもらい、水疱を一つ一つ潰して、傷口を洗浄し、薬を塗って包帯を巻くという手当てをします。内服薬や点滴による治療も必要です。そして不思議と、ここまでの症状になるのは夏場のことが多い傾向にあります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し