いびきに悩むなら…鼻にスルスルな“管”を試すという選択肢
「そういった人が、ナステントで症状改善に至るケースがあるのです。商品化が先になったため、きちんとした論文発表はまだですが、今後はCPAPやマウスピースとの比較試験も行うことを考えています」
SASの治療の重要性は、近年、一般の人の間でも徐々に浸透してきている。SASを放置すると、昼間の眠気、だるさ、倦怠感が続き、交通事故や労働中の事故につながる可能性が高くなる。無呼吸と低呼吸の繰り返しで心臓に負担をかけ、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などを起こしやすくし、突然死のリスクもある。
「SASではない、しかし、いびきをかくという場合も深刻です。狭い気道で呼吸をするのは、笛を吹き続けるようなもの。一晩中いびきをかけば疲労は大きく、脳も内臓も休まらない」
一緒に眠る人の睡眠を妨げる問題点もある。いびきがある人は、大音量でなくても、SASのチェックも含めて一度耳鼻咽喉科の受診を。なお、ナステントは保険適用外で、1箱7本入り3478円(税込み)。購入には医療機関の「指示書」が必要だ。かつてのみ込み事故があったが、回避するための改良が加えられている。
■SASは肥満の中高年だけに起こる?
あごが小さいアジア人は、やせている人や若い人でもSASになる。近年は、子供のSASの問題点も指摘されている。