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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

定年後…一方は人生を謳歌し、一方は内向き生活で認知症に

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懐かしのディスコで音楽に身をゆだね、踊り楽しむ

 この連載の担当者が今ハマっているのがディスコだそうで、かかっている曲が1970~80年代が中心ということもあり、常連客は60代半ばが中心。70代のお客さんも多いそうです。

 平日はカラオケ、土日がディスコという営業スタイルで、常連客の中には、平日はカラオケで踊りながら熱唱し、土曜日は夕方から深夜過ぎまで、日曜日は午後の早い時間から夜まで踊り続ける方もいる。お酒よりも踊り重視。お酒を飲まず、車や自転車で通っている常連客もいる。

「皆さんすごく元気なんです。毎週顔を合わせ、おしゃべりして、笑って、踊って。踊り慣れていないお客さんが来たら、親切に教えたりして。あの生活を送っていたら、脳の機能も落ちないんじゃないかと思いました」(担当者)

 お酒の量が少ないというのが前提ですが、自分が若かった頃の曲を聴き、踊り(適度に体を動かし)、異性も含めさまざまなバックボーンの方と交流する。そういう環境は、脳の活性化につながりますし、身体的・心理的・社会的フレイル対策にもなるので、認知症対策にもなるでしょう。

 卵が先か、ニワトリが先か、という点もある。いろんなことに関心を抱き、自ら赴き体験しようとする。新たな人間関係をつくることをいとわない。趣味をもっと極めたいとアンテナを広げる──。もともとそういう意欲が高い方が、さらに脳への刺激が加わって、意欲面でプラスのループが出来上がっているわけですね。

 ディスコといえば昨年、フレイル予防や社会参加促進を目的に長野市でおおむね60歳以上の方を対象にしたディスコイベントが開催されたのが記憶に新しい。2019年10月に初めて開催され、コロナ禍を経て4年ぶりに復活。ヒョウ柄やゴールドなど思い思いの衣装(派手め)に身を包んだ男女が集まり、若い頃に流行したディスコを存分に楽しむ。その様子を報道するテレビでは「年を忘れて」とコメントする方も出ていましたが、脳のためには、どんどん「年を忘れる」活動をしてもらいたいと思います。

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