著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

風邪予防にビタミンDサプリメントは効く?

公開日: 更新日:

 ドラッグストアなどでも市販されている「ビタミンDサプリメント」には、抗菌作用や抗ウイルス作用があることが知られています。

 したがって、理論上は風邪などの感染症を予防する効果があると考えられます。しかし、これまで報告されているビタミンDの風邪予防効果に関する研究結果はまちまちであり、一貫して効果があるとは結論できない状況でした。

 そんな中、これまでに報告されている複数の研究を統合解析して、ビタミンDの風邪予防効果を検討した論文が、英国医師会誌に2017年2月15日付で掲載されました。

 この研究は、ビタミンDサプリメントの摂取と、プラセボ(成分を含まない偽薬)の摂取を比較し、風邪の発症を比較したランダム化比較試験(治療効果を検討するうえで最も妥当性の高い研究手法)25件を対象としたものです。

 研究に参加した1万933人の個人データを統合解析しています。

 解析の結果、風邪の発症割合は、ビタミンDサプリメントを摂取した人たちで40・3%、プラセボを摂取した人たちで42・2%と、ビタミンDサプリメントの摂取で風邪の発症が統計的にも有意に低下しました。この効果は、ビタミンDサプリメントを33人に投与すると、そのうち1人の風邪を予防することができるというものです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  4. 4

    金田ロッテはキャンプ中に「生理(性処理)休暇」を堂々と導入!監督就任翌年に日本一を達成した

  5. 5

    故みのもんたさん 闘病生活の中で本紙に語っていた「老い」と「人生最期の願い」

  1. 6

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希まさかの「先発白紙」はむしろプラス…《メジャーレベルではない》の声も

  3. 8

    山田涼介のソロ活動活発化で“亀梨和也のトラウマ”再燃…Hey! Say! JUMPファン戦々恐々

  4. 9

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇