「人の命は腸が9割」藤田紘一郎著
人間の腸では、およそ1000兆個もの腸内細菌が活動しており、全身の健康に大きな影響を与えている。心の病気には、脳内のセロトニン量の減少が関係しているといわれるが、実はこれにも、腸が関わっていると本書。
体内のセロトニン量はおよそ10ミリグラムだが、その前駆体は腸で作られている。また、うつ病患者には乳製品や卵、肉などセロトニンの原料となるタンパク質を多く取る食事指導がされるが、タンパク質がセロトニンになるまでには、腸内細菌が合成する葉酸やナイアシンなどが不可欠だ。うつ病患者の食事を調査すると、加工食品やファストフードなど腸内細菌のバランスを乱すものが多いことも分かっているという。
腸の大切さを改めて思い知らされる。
(ワニ・プラス 800円)