腎臓のトラブルかも…尿の「泡」と「色」で病気を見つける
腎臓の働きを調べる指標として、最近は、クレアチニン値と年齢・性別から計算する「eGFR」(推算糸球体濾過量)が重要とされ、尿蛋白は軽視されている傾向があるという。
「『eGFR』もいいのですが、もっと尿蛋白を重視すべきです。尿に蛋白が漏れ始めているということは、腎臓に何らかの異変が起きている可能性がある証拠です。健康診断などで、蛋白が出ていると言われても、そのまま放置する人が非常に多い。痛くもかゆくもありませんし、見た目も大きな異常はないため、〈この程度なら平気だろう〉と甘く考えているのです。そのまま放っておくと、腎機能がどんどん悪化する可能性があるので、もっと注意すべきです」
蛋白の漏れを意識するためにも、泡のチェックは大切なのだ。
■赤、褐色、白…それぞれ症状が違う
尿の「色」にも注意したい。真っ赤な尿はもちろん、コーラのような褐色の尿が出る場合、医師の診察を受けた方がいい。いわゆる血尿だ。
「尿は体液を調整する役割もあるので、水分が足りていなければ濃い色になりますし、水分が十分に満たされれば希釈された透明な尿になります。また、激しい運動をした後などに血中から筋肉の成分が混ざり込み、赤や褐色の尿が出るケースもあります。普段から尿の色をチェックしておき、安静にしている状態でいつもとは違う赤色や褐色の尿が出たら、注意する。腎臓に炎症があるケースだけでなく、膀胱がん、膀胱炎、尿路結石といった尿の経路に問題があるケースも多い」
白っぽく濁った尿が続く時は、感染症にかかっていたり、蛋白が漏れている可能性があるという。
漫然と小便をしているだけでは、病気を見逃しかねないのだ。